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東京都立高校推薦入試の内容と対策 【作文・小論文・面接】 日比谷高校
更新日:2019年9月4日
今回は、都立日比谷高校の問題です。
日比谷高校といえば、定員割れで二次募集をしたというニュースが世間を驚かせましたね。
さて、内容です。
東京都立高校推薦入試の内容 【作文・小論文・面接】平成27年 千代田区・日比谷高校・50分

1
観光に関する資料・データを読み取り、わかったことを文章にまとめる。
180-200字
2
データから読み取ったことをもとに、観光立国推進のために首都である東京が推進する取組について述べる。
360-400字


上記のような問題となっています。
設問1は、資料を正確に読み取れているか?文章でわかりやすく説明できているか?という部分が試されています。
設問2は、資料を踏まえた上で、自分なりのアイデアを持っているかを問うています。これは、普段からいろいろなことに関心を持って、さらにそれらのアイデアを単なる夢物語でなく、根拠をもって主張できるのかということを問うているのだと思います。
例えば、資料1からわかることは、わが国が観光立国になろうとしていることの目的です。一番最初に書いていますが、「我が国経済社会発展のため」とあります。
国際協力だったり、国際的な相互理解といった部分は二次的なものに過ぎないということです。
これまでの日本は、ものづくりを極めることで収入を得てきましたが、これからはそれだけでは駄目で、観光でも収入を得ないとやっていけないということを表しているのでしょう。
また、図1からですと、日本は外国人の受け入れ人数が国際的に見ても少ないので、国際水準から考えたら、もっと受け入れても大丈夫だという発想の根拠となりうるでしょう。
各国で事情は違うので、これだけで「もっと受け入れていい」と考えるのは軽率だとは思いますが。
さらに、図2からは観光収入よりも観光支出の方がまだ日本は多いと出ています。それに加えて、そもそも海外に出たり、呼び込んだりすること自体が少ないとも言えるでしょう。
この資料も、「もっと日本に観光客を!」と主張するのに都合よい資料だと言えるでしょう。
こういった部分をひとつひとう丁寧に説明していけばそれなりの内容となるでしょう。
また、設問2ですが、こちらはそもそも「観光立国の推進のため」と方向性が限定されてしまっています。ここで、「外国人を受け入れるべきではない」という主張はそもそも封じられているので、そのように書きたい受験生は気持ちを抑えなければいけません。
日比谷高校を受験する生徒ともなると、それなりに思考力のあるひねくれた受験生もいるので、なんとか出題者の意図とは逆のことを書いてやろうと思っている受験生もそれなりにいるかもしれませんが、制限時間があって、「推進」するための資料が豊富に用意されている出題の場合は、その流れに乗ることが合格に一番近くなるやり方だと思います。
逆に考えると、そういった、「流れに上手に乗る」生徒を受け入れたい高校であると考えることもできるでしょう。
なかなかに、生徒の自主性を奪うような出題だと思います。
でも、そういった素直な生徒でないと東大に合格するのは難しいと思うので、ある意味正しい判断だと思います。
今回の解説はこんなところで。