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2020年1月13日7 分

2017青山学院大学 地球社会共生学部小論文(B方式)解説!

最終更新: 2021年3月20日

青山学院大学 地球社会共生学部の小論文の解説をします!

2019年が世界の水産業(グラフ、表あり)

2018年が訪日観光客(グラフ、表あり)

2017年が少子化対策としての外国人受け入れと難民(2文、表1つ、英文)

2016年が脱炭素社会

・・・といった感じでテーマが変遷しています。

こう並べて見てみると、国際的なテーマが選ばれていることがわかりますね。

普段の勉強としては、こういった国際系の問題について詳しい知識を入れておくといいですね。

では、今回は2017年です!

◆問1

この年は、問題文がまだ日本語と英文で書かれていて、それらを両方とも読んで要約してから(問1)、自分の意見を書くという形式となっています。

英語も、そこそこ単語が難しいので、読みにくいですね。

とはいえ、多少の専門用語はありますが、一般入試にも出てきそうな単語ばかりなので、一般入試対策をしっかりとやっていれば、特に心配のないレベルの英文です。

Aは、日本は少子高齢化社会となり、将来的な労働力不足が予想される中で、外国人を労働者として受け入れるかどうかという内容です。

Bも、外国人問題ではありますが、労働力とはちょっと違って、難民を受け入れるかどうかという内容となっています。

要約については、何度も読んで書けばできると思うので、今回は特別解説はしないでおきます。

◆ 問2

次に、問2ですが、日本の移民政策について自分の意見を書けという問題です。

これは、なかなかやっかいですね。

まず、このテーマについてしっかりと知らなければいけません。

ただ、知識がない場合でも、「要約を踏まえて」とあるので、ある程度書くべき内容は絞れると思います。

とはいえ、前提とすべき文が二種類あるので、それらの両方に答えようとすると、まとまりのない文章となってしまう可能性があるのです。

でも、実はこのことが出題趣旨なのかなと思います。

つまり、外国人問題は、いろんな問題が複合的に存在し、一筋縄ではいかない

ということです。

すごく難しいテーマなのです。

ですから、素晴らしい答案を書こう!などという気負いを持つことなく、肩の力を抜いて書きましょう!

◆外国人と仲良く一緒に働けるようにする必要がある

まず、「外国人労働者の受け入れ」と聞くと、どういったことを頭に思い浮かべるでしょう?

コンビニとかで外国人が働いていることが多い、ということを思い浮かべる人もいることでしょう。

まず、移民と難民の違いはわかりますか?

移民は自発的に日本に入国してくる人で、難民は政治的などの理由により、やむなく母国を離れて日本にやって来る非自発的に入国してくる人です。

ですから、日本に入ってくる外国人という意味では同じですが、自分から進んでと、やむなくでは、日本での暮らしぶりが大きく異なると思います。

例えば、生活様式について、移民の場合は、自発的なのである程度は相手国の習慣や文化に合わせようとするでしょうが、難民の場合は、そうでない人もいるでしょう。もちろん、移民でも、自分の文化を持ち込もうとする人はいるとは思います。

そうすると、日本人との間に壁ができてしまいます。

相手のことがよくわからないと、なんとなく不安になりますよね?

よくわからない人が、夜に騒いでいたり、道端でよくわからない言語で話していると、なんとなくそこを避けて通るようになりませんか?

そんな状態で、近くで外国人が犯罪を犯したという事件だったり、噂が発生したらどうでしょう?

日本人が外国人に近づくのを避けるようになるでしょう。

お店によっては、「外国人お断り」の貼り紙を出すところもでるかもしれません。

◆外国人労働者たちと仲良く暮らせるようにする必要がある

このように、移民や難民が増えると、まず国内や地域社会で生活者の中で分断が起きるということです。

ただ、別々に暮らして、なんとかそれぞれがやっていければいいですが、同じ国の中なので、どこかで交わるところは出てきてしまいます。

市役所や交通機関、ごみ収集の行政サービスなど、一緒に使うものが必ずあるのです。

このように、まず文化的な違いから社会が分断される可能性があります。

また、収入もたいていは移民や難民のほうが低くなります。

それはある意味仕方ないのですが、日本国内で仕事を見つけようと思ったら、多数派である日本人が使っている日本語を使えないと仕事になりません。

日本語を上手に使えない移民や難民が、給料の良い仕事を見つけられるかというと、なかなか難しいと思います。言葉があまり重要でない単純労働に集中することになるでしょう。

そうすると、収入格差が広がり、社会が階級化し、それが移民や難民の不満を増幅し、いつか何らかの事件を起こすかもしれません。

実際に、ヨーロッパでは、そういったことが原因となっているテロが起きています。

◆外国人労働者に教育をする必要がある

また、移民や難民が定住した場合、日本で子育てをすることになります。

そうすると、移民や難民の子供の教育問題が出てきます。

日本は、血縁主義をとっているので、父母のどちらかが日本人でないと、その子供は日本人の国籍を持てないのですが、日本人と移民・難民が結婚した場合、子供は日本人となるので、教育の機会を与える必要が出てきます。

では、外国人同士の子供だったら、何もしないでいいのでしょうか?

そういうわけにもいかないんですね。

教育を受けないまま大人になると、できる仕事が見つからず、犯罪に走る可能性が高くなります。そうすると、外国人だからといって放置していると、日本の社会にマイナスとなって跳ね返ってきてしまうんですね。

今までは、こういった施策は地方公共団体レベルでやってきたのみで、国レベルでは継続的な施策はなかったのですが、2019年6月に日本語教育推進法という法律が出来て、地方公共団体は、外国人に対して日本語教育をおこなう義務が生じ、それに対して国は予算をつけなければならないということになりました。

◆外国人労働者たちを介護する必要がある

さらに、外国人労働者(移民・難民)も人間なので、年を取ります。

そうすると、介護が必要になるんですね。

これも大切な問題です。

将来に不安があれば、外国人労働者たちは、抗議して、外国に出国してしまうかもしれません。そもそも、日本に来る外国人労働者が減るかもしれません。

親が介護が必要な状態になった外国人労働者たちは、介護に必要なお金を手に入れるために、犯罪に走るかもしれません。

そうすると、やはり、放っておくと日本社会に不安が押し寄せることになる可能性が高いのです。

◆では、どうすればいいのか?

基本的には、外国人労働者たちに、気持ちよく働いてもらい、お金を十分に稼いでもらって、社会保険料や税金等を払ってもらい、日本人に差別されることなく、安心して生活してもらえば、犯罪を犯す人も出ないでしょう。

とはいえ、日本人よりも優遇する必要はないので、結局は「日本人と同じ扱いをする」ということがキーポイントなのだと思います。

でも、こういうことを聞くと、「なんで日本にずっといるかどうかわからない外国人を日本人と同じ扱いをしないといけないの?」と考える人も出てきます。

確かに、その通りの部分もあります。

とはいえ、外国人労働者の人々も、その労働によって日本に貢献しているのも事実です。

ですから、このあたりをうまく調整するとしたら、外国人労働者が日本に貢献している範囲で、社会的な保障を与える、というところに落ち着くのでしょうか。

でも、これを現実化する場合に、具体的にどうするか?というのはまた頭の痛い問題なんですけどね。

でも、小論文では、そこまでは書く必要はないので、このあたりについて解説するのはここではやめておきます。

◆まとめ

では、最後に解答の例となりそうな構成を書いておきます。

先ほど書いたように、いくつかの外国人労働者受け入れによって生ずる問題点がありますので、それを順番に書いてみましょう。

そのあとで、それらの共通点を抽象的に書いてください。

社会の分断が起きたりするのは、外国人を日本人と同じように扱っていないらですよね。

そうすると、外国人を日本人と同じように扱えばいいのですが、そもそも外国人を日本人と全く同じ扱いをとするのはおかしいわけです。

ですから、必要な範囲で同じ扱いにする。という結論になるわけです。

そして、これらを書き進める中で、具体例も入れていきましょう!


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