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2019年11月17日8 分

2019年!青山学院大学 総合文化政策学部 小論文解説しちゃいますよ~

最終更新: 2021年2月10日

青山学院の総合文化政策学部は大人気ですね!

2019年の入試はどうでしたか?

倍率を見る限りは、例年とさほど変化はないように思えます。

合格最低点も、個別日程B以外は、昨年とあまりかわりませんね。

個別日程A 倍率 21倍 合格最低点 252/350

個別日程B 倍率 10.7倍 合格最低点 215/350←小論文有り

全学部日程 倍率 11.6倍 合格最低点 276/350

センター利用3教科 倍率 8倍 合格最低点 90%

センター利用4教科 倍率 5倍 合格最低点 88.5%


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では、小論文です。80分300点です。英語は外部試験を利用しています。

2019年は、フロイトの文章から出題されました。「幻想の未来」からです。

抜粋された箇所は、「ここでまず、人間の文化について定義してみよう。~だから、指導者は何らかの権力的な手段によって、大衆から独立している必要がある。」までです。

2018年はルソー、2017年はミル、2016年はプラトンでした。

歴史上の有名人の著作から出題され続けています。

また、形式もほとんど変わりがありません。

とはいえ、こういったことは知らなければ解けないものでもないので、この辺は気にしなくてもいいでしょう。

ただ、倫理や政治経済をやっておくと有利かもしれませんし、知らないよりは知っているほうが対策を立てやすいので、過去問は必ず解いておきましょう。

また、2015年以前の形式は、まずは考えなくていいでしょう。

ここ4年の傾向への対策がしっかりとできたら、そちらに手を出してもいいかもしれません。

◆問題内容

では、どんな問題だったのでしょう?

問い1では、要約(200字)。

問い2では問い1で要約した内容に反論せよというもの(200字)

問い3では、問い1と問い2のどちらかの立場に立つことを明らかにして、自分の主張を書けというもの。300字。

問い4では、国連関連の穴埋め問題でした。世界史選択者に有利でしょう。

ちょっとわかりにくい文章だったと思います。フロイトが何を言いたいのか最後まで読まないとわかりません。

最後まで読んでもよくわからない人も多かったかもしれません。

問い1で要約問題が出されていますし、それを前提に問題が進むので、本文の正確な理解はかなり大切です。

まず、人間の文化の定義がおこなわれています。

人間の文化には2つの側面があり、外部との関係では自然の財を獲得する作用があり、内部との関係では財の分配作用があるとしています。

そうすると、人間の文化は集団内にいれば集団自体が外から財を獲得し、それを内部の構成員に分けてくれるという一見素晴らしいものに見えます。

でも、フロイトは後の方の文章で、文化を維持するために構成員等に労働を強制することになることを認めています。

文化の維持のために労働を強制されるのを嫌がる人は当然出てくるでしょうが、フロイトの文章は、そういった嫌がる人がロボットのように何も感じずに文化(集団とほぼ同じ意味で使っていると思います。)の利益のために自己犠牲的に働いてくれれば、黄金時代が訪れると書いています。

このあたりまで来ると、フロイトの考え方がちょっと危ないというのがわかってきます。

「大衆を少数者の支配に従わせるようにしなければならない」とありますね。

決定的です。

フロイト、やばみ。

で、最終的に、フロイトは結局「賢人政治をするしかない」というようなことを述べています。

こんな感じです。

こに行き着くために、人間の文化の話をしているのです。

これだけ見ると、「フロイトはひどい人間だ!」という感想で終わってしまいそうなので、一応付け足しておきますが、当時は人権的発想はほとんどなく、階級意識がとても強い時代でした。

また、戦争も多く、その中で生き残るには、個人の自由なんて言ってられない時代でもありました。

そんな中で、生き残るために中央集権国家が作られ、産業革命を起こし、国民を教育して・・と次々と隣国に負けないために様々な施策を打っていきました。

一方で、権力者たちの目には、民衆は誰かの指示がなければ何もできない無能にしか見えなかったのでしょう。

権力者たちがいろいろと考えて、民衆に指示を与えることによって国家は発展し、隣国に攻められるようなことがなくなり、逆に隣国に攻め入って財を獲得する場合もあるでしょう。そうすれば、自然と民衆(=国民)にも利益がいき、みんなが幸せになる、というような考えを持つ権力者が多かったのです。

まだ、民衆に利益を与えるということを考えるだけマシな部類です。

◆解答の方向性

では、問い1です。

上に、本文の流れをまとめました。

そのようなことが書かれていれば大丈夫でしょう。

次に、問い2では、それに対する反論を書けということなので、賢人政治とは異なる他の政治形態を選ぶ必要があります。

今のところ、民主政治にするしかないでしょう。

ただ、その場合も直接民主制にするか、間接民主制にするかは選んで構わないでしょう。

ちょっと前までは、現代の大規模な近代国家において直接民主制は夢物語にしか過ぎませんでしたが、インターネットの普及した現代ならば技術的に可能かもしれません。

問い3では、自分の意見を書きます。

この場合、問い1と問い2では出さなかった内容を書かなければなりません。

問い1は要約なので、本文に書いてあることを書かなければいけません。

自分が書こうと思った意見や理由が書かれていると、ちょっとやっかいですね。

また、問い2ですと、問い3で書きたいことを多少抑えて書かなければいけません。

そうしないと、問い3で書くことがなくなってしまいますからね。

問い3で、フロイトの側に付く人はあまりいないのではないでしょうか?

フロイトの立場に立って書くのは、あまり筋がいいとはいえないでしょう。

ここは、問い2で民主制を挙げて、そちらに立って論を進めるべきでしょう。

問い3では、「現代の具体的事例」を挙げるよう指定されています。

フロイトは本文の中で、人間は本来互いに闘争状態を作り出す存在で、ルールが必要である。また、人間は科学技術等とは異なり、昔からちっとも進歩していない、というようなことを書いています。

社会契約説の考えが元になっていそうですね。

そのようなどうしようもない人間達をうまくまとめるには、まずは自然を征服して、そこから果実を奪取してみんなを豊かにするという方法もあるかもしれないと書いていますが、問題は物質的なものではなく、心理的なものなので、物質的な解決は有効な手段ではないとしています。

そうして、人間に勝てるのは人間しかおらず、強い人間(=指導者)が人間を導かなければならない、という結論に至っています。

なんだか、正しそうですよね。

理解するだけでも時間がかかってしまうので、それに対する反論を考えるのはとても大変そうです。

でも、合格したければ考えなければなりません!

◆どんな反論を書くべき?

例として反論内容を考えてみましょう。

フロイトは「指導者」という言葉を使っていますが、そのように取り繕ってみても、このような流れの文章からは「独裁者」という言葉が頭をよぎってしまいます。

なぜ独裁者はいけないのでしょう?

このあたりは、結構大切な議論になるところなので、小論文受験をしようと考えている人はしっかりと勉強しておきましょう。

大雑把に説明しておくと、確かに賢人政治でうまくいったこともありました。

でも、長続きしないんですね。

権力は腐敗して、暴走するものなのです。

そのような時に、どうやって止めたらいいのか?事前に止めることができるのか?

権力者と同等もしくはそれ以上の権力者が押さえつけなければいけないわけです。

そこで、民主制が考えられたのですね。

民主制の特徴は「治者と被治者の自同性」にあります。

これはどういうことかというと、支配者と被支配者が同じだという意味です。

民主制では、基本的に多数決で決めますよね。

多数決に国民は参加できるわけです(子どもという例外はありますが)。

ですから、国民は基本的に支配者(=治者)といえます。

でも、決まった政策で拘束されますよね。

その意味では、被支配者(=被治者)ともいえるわけです。

そういった工夫がされたのが民主制だというわけです。

権力が必ず腐敗し、暴走するものであるとすることは、理論的に絶対とはいえませんが、歴史的経験に基づいて確信を持っていうことができます。

そこから、やはりフロイトのいうような賢人主義は理想論に過ぎない、という反論が可能かと思います。

◆最後に

「こんなこと現場で思いつかないよ!」

と言う受験生もいるかと思います。

確かに、いきなり受験会場でここまで思いつくのはかなり思考力のある受験生だと思います。

でも、こういったことって、本に書いてあるのです。

ということは、事前に準備できるということなのです。

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